プラセンタとは

 

プラセンタとは

プラセンタ(placenta)とは、哺乳類の胎児を成長させるための胎盤のことです。主にサプリメントや化粧品に利用されるのは、馬や豚、ウシ、ヒツジなどの動物由来のプラセンタです。最近では、植物の胎座から抽出される植物由来のプラセンタも広く利用されるようになりました。

プラセンタ(胎盤)には、アミノ酸、たんぱく質、糖質、ビタミン類、核酸、ペプチド、ムコ多糖類などの成分が豊富に含まれています。また、プラセンタには、胎児が育っていくための成長因子が豊富に含まれています。成長因子とは、細胞分裂を活性化させる因子のことです。成長因子が細胞を刺激することで、新陳代謝が活発になると考えられています。プラセンタにはこの成長因子の働きを促す働きがあるため、美容や健康に効果があるといわれています。

 

プラセンタの歴史

プラセンタの効果は古くから世界中で注目されており、特にアンチエイジングや肌を美しくする効果が認められています。

プラセンタはクレオパトラや楊貴妃、マリー・アントワネットが美容に愛用したとか、秦の始皇帝が不老不死を求めて使ったと言い伝えられていますが、確たる文献に基づいた史実ではありません。史料にプラセンタの名が初めて登場するのは、739年、唐代の中国『本草拾遺』(ほんぞうしゅうい)の記述になります。
現代においては、プラセンタは、旧ソ連のオデッサ大学教授で眼科医であったV. P. フィラトフ(1875 〜1956)が1920年代に研究を進めた組織療法に端を発します。フィラトフは、埋没療法を実験し、疾病の治癒にはプラセンタを使うと高い成果が得られることを見出しました(1)日本においては、江戸時代に、加賀藩御用達薬種商であった中屋彦十郎薬舗の昆元丹(こげんたん)に、漢方薬と一緒にプラセンタが処方され、民間薬として使われていたとの記録が残っています。

 

プラセンタの効果

プラセンタは、細胞レベルから肌の環境を整えます。しわやたるみ、毛穴の開きなどの肌トラブルを防ぎ、美しい肌へ導く効果が期待されています。

プラセンタには、以下の効果が報告されています。

 

   ・更年期障害やうつ病・不安を減少

   ・更年期障害による女性の肩こりに効果

   ・男性の性機能障害

   ・肝機能の改善

   ・シワの減少効果、角質水分量の増加

   ・疲労倦怠感、肩こり、関節痛、目の疲れ、食欲不振など疲労症状の改善

   ・口の粘り、噛み合わせの痛み、歯肉出血の改善

   ・メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ美白効果

   ・皮膚炎症の改善効果、美肌効果

   ・アトピー性皮膚炎の改善

 

プラセンタの有用性の報告

・豚のプラセンタ抽出物のサプリメントを使った試験では、更年期指数(SMI)やうつ病・不安の指数を減少させ、疲労感や関節痛を緩和する作用が確認されています[2]また、同様の試験で、更年期障害による女性の肩こり、男性の性機能障害、肝機能の改善に効果を示しました [3] [4]

・ヒトプラセンタでは、疲労倦怠感、肩こり、目の疲れ、食欲不振など疲労症状の人を対象として、半数以上に有効性が認められました[5]

・解決しにくい、歯周治療中の不定愁訴を訴えるグループで、豚プラセンタエキスは口の粘り、噛み合わせの痛み、歯肉出血について有意に改善させ、歯肉のそう痒感についても改善しました[6]

 

・プラセンタは、効能の承認を得ている原料では「メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ」を強調表示することができます[7]

 

・2016年の試験では、プラセンタの摂取が、皮膚のきめ・毛穴・発赤部分において改善効果を認める報告もあり、皮膚炎症の改善効果やメラニンの生成抑制効果の可能性があることが示されています[8]

 

・肌は、一定のサイクルで新しく生まれ変わります。この一連の肌の代謝を「ターンオーバー」とよびます。このターンオーバーのサイクルが乱れると、肌トラブルの原因になり、肌荒れやニキビ、吹き出物などが発生します。プラセンタは、ターンオーバーを促進させる効果があることが示されています。

 

・老化架橋とは、中高年になりコラーゲンの生成が衰え、古いコラーゲンが分解されずに余分な架橋としてどんどんつくられることを指します。この余分な老化架橋が増えると、肌の組織が硬くなり、皮膚の水分が失われてシワの原因となります。プラセンタは、細胞傷害の原因となる活性酸素の一種であるスーパーオキサイドを低減し、しわの原因となる老化架橋の形成を抑制する効果もあることから、プラセンタは有望な抗老化素材であるとする報告があります[9]

 

 プラセンタの副作用

現在、プラセンタを原材料とした多くの医薬品や、サプリメント、化粧品などの製品が作られています。医薬品は、開発から販売までは、様々な基礎試験、臨床試験、治験が行われ、その有効性について国が承認したもので、確かな効果が期待できます。
プラセンタは、比較的副作用が少ない製剤ですが、医療機関などで注射などをする場合、下記のような点が確認されています。

 

・注射部位の疼痛

・過敏症(発疹・発熱・掻痒感など)

・注射部位の硬結

・頭痛

・肝機能障害(AST,ALT 上昇など)

 

また、アレルギー体質の患者へは慎重投与となっています[10]が、併用禁忌薬は特に挙げられていません[11]医療機関で使用されているプラセンタ注射薬は、人の胎盤を原料とし特定生物由来製品に指定されています。 特定生物由来製品は、その製造工程から市販後まで様々な安全対策が取られていますが、現状の製造工程で取り除けない未知のウイルスや病原体の存在を完全に否定はできず、感染症などのリスクはゼロとは言えません。 現在、日本でのプラセンタ注射薬による感染症の報告はありませんが、プラセンタ注射薬を打つ際には同意書を書く必要があります。

プラセンタサプリメントや、化粧品においては、購入の際に、原材料と産地を確認することや、SPFや日本健康・栄養食品協会(JHNFA)などの基準を満たしているか、などを確認して選ぶと安心です。

 

 

【参考文献】

(1) プラセンタ療法と統合医療

http://jplaa.jp/pdf/tougou.pdf

(2) Koike, K.; Yamamoto, Y.; Suzuki, N.; et al (2012). “Efficacy of porcine placental extract on climacteric symptoms in peri- and postmenopausal women”. Climacteric 16 (1): 28–35. doi:10.3109/13697137.2012.696290. PMID 22920723.

(3)Koike, K.; Yamamoto, Y.; Suzuki, N.; et al (2012). “Efficacy of porcine placental extract on shoulder stiffness in climacteric women”. Climacteric 16 (4): 447–452. doi:10.3109/13697137.2012.720622. PMID 23113540.

(4)江水保「プラセンタエキス含有ドリンクの性欲および性機能改善効果」『診断と新薬』第48巻第8号、2011年8月28日、 793-801頁。

(5)蜂矢敬彦「不定愁訴症例に対する胎盤成分(K・PE)の内服効果―ビタミンB1内服との比較臨床試験」『薬理と治療』第8巻第2号、 474-486頁。

(6)清水洋利、久保田恵、中西宏彰「歯周治療中の不定愁訴に対する胎盤抽出成分配合サプリメントの効果」『日本統合医療学会誌』第4巻第1号、2011年7月、 51-55頁。

(7)三井幸雄「凍結酵素抽出法を用いたプラセンタエキスの化粧品への応用 (特集 化粧品新素材と原料の新知見(1))」『Fragrance journal』第47巻第3号、2019年3月、 69-72頁。

(8)伊藤公美恵、植竹達雄、斉藤浩二、飯島肇「プラセンタ化粧品の肌への効果 (予備検討試験として)」『臨床医薬』第32巻第7号、2016年7月31日、 593-601頁。

(9)安井裕之、原口知子、望月彩音、石川裕樹、小松靖彦「新規プラセンタエキスの抗老化素材としての評価」『フレグランスジャーナル』第44巻第4号、2016年4月、 36-45頁。

(10)メルスモン 添付文書 メルスモン製薬株式会社 医薬品情報データベース、2016年10月19日閲覧

(11)ラエンネック 添付文書 株式会社日本生物製剤 2016年10月19日閲覧

 

 

ルチンとは

ルチンとは

ルチン(Rutin)は、薬草などとして用いられていたミカン科のヘンルーダから発見された柑橘フラボノイドの一種です[1]

 

タデ科のダッタンソバ(韃靼蕎麦)、ソバの実に含まれており、ダッタンソバにはソバの100倍のルチンが含まれています[2]

アスパラガスや、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライムといった柑橘類、クワの実、トネリコの実、クランベリー

といったベリー類にも含まれています。

 

効能と有効性

ルチンは健康によい成分として様々な効能が謳われています。ルチンは、生活習慣病の予防に役立ち、

細菌の侵入を防いだり、ビタミンCの吸収を助ける効果があります。ルチンを含む植物は昔から生薬として利用されていたようです。

 

・抗炎症効果や血流改善効果については数多くの論文にて報告されると同時に、変形性関節症に対する有効性について、

国立健康・栄養研究所の報告でも言及されています[3]

ルチンはビタミンCと一緒に作用し、毛細血管を強化するため[4]、出血性の疾患に効果があります。

脳卒中、歯茎からの出血などを予防したり、血流をスムーズにする働きがあります。

さらに高血圧[5]や動脈硬化、脳血管障害、痔などの予防効果が期待されています。

弾力がなくなった血管をもとの状態に戻す働きがあるので、血液循環や、心臓疾患にも効果があります。

ルチンは、すい臓に作用して、インスリンの分泌を促進するため、糖尿病の予防に効果があります。

さらに、ルチンは抗酸化剤でもある[6]ため、脳細胞の酸化を防ぎ、活性化させることで、

老人性の認知症への効果も期待されています。

 

その他にも、いかに効果が報告されています。

・ドイツのコミッションEにおいても花粉症による炎症の抑制効果について効果が認められている。

・ルチンは血小板凝集を阻害し[7]、毛細血管透過性を減少させることで、抗凝血作用を示し、血行を改善する。

・ルチンは一部の動物やin vitroモデル実験において抗炎症活性を示す[8][9]

・蕎麦に含まれるルチンは、酸化防止[10][11]などの生理活性を有する[2]

・ルチンが痔、静脈怒張、細小血管障害の治療に使用できる[3]

 

1日に必要なルチンは約30mgで、1食分のそばを食べると摂取できます。

ルチンは、そばの実の外殻部分に多く含まれ、特に韃靼そばは、普通のそばの約100倍もルチンがあるといわれています。

また、ルチンは水溶性なので、そばをゆでている間に、ビタミンB₁やビタミンB₂などと一緒に溶け出してしまうため、

そばを食べる場合は、ゆで汁である、そば湯も飲むと効果的です。さらに、そばと一緒に、みかん、などのビタミンCを摂ると、

ルチンの効果がいっそう上がります。

ビタミンB群

【参考文献】

[1]Kreft S, Knapp M, Kreft I (November 1999). “Extraction of rutin from buckwheat (Fagopyrum esculentum Moench) seeds and determination by capillary electrophoresis”. J. Agric. Food Chem. 47 (11): 4649–52. doi:10.1021/jf990186p. PMID 10552865.

[2]安田俊隆、正木和、柏木隆史、ダッタンそば種子に含まれるルチン分解酵素について、日本食品工業学会誌、Vol.39 (1992) No.11 P.994-1000,doi:10.3136/nskkk1962.39.994

[3]「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)

[4]RUSZNYAK, ST. and SZENT-GYORGYI, A.;Nature, 27 (1936)

[5]MATUBARA, Y.ほか: Agric. Biol. Chem., 49, 909 (1985)

[6]Metodiewa, D.; Kochman, A.; Karolczak, S. (1997). “Evidence for antiradical and antioxidant properties of four biologically active N,N-Diethylaminoethyl ethers of flavaone oximes: A comparison with natural polyphenolic flavonoid rutin action”. IUBMB Life 41 (5): 1067–1075. doi:10.1080/15216549700202141.

[7] Navarro-Núñez; et al.; Palomo, M.; Martínez, C.; Vicente, V.; Castillo, J.; Benavente-García, O.; Diaz-Ricart, M. et al. (2008). “Apigenin Inhibits Platelet Adhesion and Thrombus Formation and Synergizes with Aspirin in the Suppression of the Arachidonic Acid Pathway”. J. Agric. Food Chem. 56 (9): 2970–6. doi:10.1021/jf0723209. PMID 18410117.

[8] Guardia; et al.; Juarez, AO; Pelzer, LE (2001). “Anti-inflammatory properties of plant flavonoids. Effects of rutin, quercetin and hesperidin on adjuvant arthritis in rat”. Il Farmaco 56 (9): 683–7. doi:10.1016/S0014-827X(01)01111-9. PMID 11680812.

[9] Chan Hun Jung; et al.; Cho, Chul Hyung; Kim, Chang Jong (2007). “Anti-asthmatic action of quercetin and rutin in conscious guinea-pigs challenged with aerosolized ovalbumin”. Arch. Pharmacal Research 30

[10] AFANAS’EV, I.B.ほか: Biochem. Pharmacol., 38, 1763 (1989)

[11] TOREL, J., CILLARD, J. and CILLARD, P.:Phytochemistry, 25, 383 (1986)

 

 

 

メチルヘスペリジンとは

 

メチルヘスペリジンとは

ヘスペリジン (Hesperidin) は、温州みかんやはっさく、ダイダイなどの果皮および薄皮に多く含まれるフラボノイドです。

フラボノイドとは植物自身が紫外線から身を守る抗酸化作用や、

種子を害虫から守るために抗菌作用や殺菌作用などを持つ物質でポリフェノールの一種に分類されます。

ポリフェノールは、ビタミンPとも呼ばれ、ビタミンと似た働きをする物質です。

 

これまでにヘスペリジンに関するは、様々な薬理作用が報告されています。

コレステロール[1]や血圧[2]を低下させる効果、骨密度の低下を抑制する効果ほか[3]

敗血症に対する保護効果、抗炎症作用[5][6]が示されています[4]

 

その他のヘスペリジンが持つ作用として次の6点があります。

 ①毛細血管を強化し[7]、血管透過性を抑える作用[8][7]

 ②抗アレルギー作用[9][7]

 ③血圧降下作用[7]

 ④血清脂質改善作用[7]

 ⑤抗酸化作用[7]

 ⑥発がん抑制作用 [10]

 

メチルヘスペリジンは、ヘスペリジンをメチル誘導化し水溶性にしたものです。

昭和電工株式会社は、柑橘類由来のヘスペリジンの誘導体「メチルヘスペリジン」に優れた抗糖化作用があることを初めて見出し、アンチエイジング用途の化粧品原料としてサンプル出荷を開始しました。

糖化は、酸化と並んで老化の原因の一つとされており、紫外線などの影響で皮膚のタンパク質が糖化すると、真皮コラーゲンが硬化し肌のハリの低下を招いたり、真皮や角層が黄色化し、肌の透明感が失われたりするとの報告があります。メチルヘスペリジンには、この糖化を抑制することで、老化に伴う肌のたるみに対する防止効果が期待されています[11]

ビタミンB群

 

[1]Monforte MT, Trovato A, Kirjavainen S, Forestieri AM, Galati EM, Lo Curto RB (1995), “Biological effects of hesperidin, a Citrus flavonoid. (note II): hypolipidemic activity on experimental hypercholesterolemia in rat”, Farmaco 50 (9): 595-599, PMID 7495469

[2]Ohtsuki K, Abe A, Mitsuzumi H, Kondo M, Uemura K, Iwasaki Y, Kondo Y (2003), “Glucosyl hesperidin improves serum cholesterol composition and inhibits hypertrophy in vasculature”, J. Nutr. Sci. Vitaminol. 49 (6): 447–50, PMID 14974738

[3]Chiba H, Uehara M, Wu J, Wang X, Masuyama R, Suzuki K, Kanazawa K, Ishimi Y (2003), “Hesperidin, a citrus flavonoid, inhibits bone loss and decreases serum and hepatic lipids in ovariectomized mice”, J. Nutr. 133 (6): 1892–7, PMID 12771335

[4]Kawaguchi K, Kikuchi S, Hasunuma R, Maruyama H, Yoshikawa T, Kumazawa Y (2004), “A citrus flavonoid hesperidin suppresses infection-induced endotoxin shock in mice”, Biol. Pharm. Bull. 27 (5): 679–83, doi:10.1248/bpb.27.679, PMID 15133244

[5]Emim JA, Oliveira AB, Lapa AJ (1994), “Pharmacological evaluation of the anti-inflammatory activity of a citrus bioflavonoid, hesperidin, and the isoflavonoids, duartin and claussequinone, in rats and mice”, J. Pharm. Pharmacol. 46 (2): 118–22, PMID 8021799

[6]Galati EM, Monforte MT, Kirjavainen S, Forestieri AM, Trovato A, Tripodo MM (1994), “Biological effects of hesperidin, a citrus flavonoid. (Note I): antiinflammatory and analgesic activity”, Farmaco 40 (11): 709–12, PMID 7832973

 

[7]柑橘ポリフェノール「糖転移ヘスペリジン」の機能性食品分野における可能性、三皷 仁志、日本食生活学会誌、Vol. 21 (2011) No. 4

[8]Liu L, Xu DM, Cheng YY (2008), “Distinct effects of naringenin and hesperetin on nitric oxide production from endothelial cells”, J. Agric. Food. Chem. 56 (3): 824-829, doi:10.1021/jf0723007, PMID 18197618

[9]Emim JA, Oliveira AB, Lapa AJ (1994), “Pharmacological evaluation of the anti-inflammatory activity of a citrus bioflavonoid, hesperidin, and the isoflavonoids, duartin and claussequinone, in rats and mice”, J. Pharm. Pharmacol. 46 (2): 118-122, PMID 8021799

[10]Miller EG, Peacock JJ, Bourland TC, Taylor SE, Wright JM, Patil BS, Miller EG (2008), “Inhibition of oral carcinogenesis by citrus flavonoids”, Nutr. Cancer 60 (1): 69-74, PMID 18444138

 

[11] メチルヘスペリジン

https://www.sdk.co.jp/products/43/58/13588.html

 

サプリメントとしてのマリーゴールド

 

マリーゴールドとは

マリーゴールド(marigold)は、キク科コウオウソウ属のうち草花として栽培される植物の総称です。

着色剤、観賞用、食用、化粧原料、装飾用として古くから利用されてきました。

また、ハーブとしても利用され、マリーゴールドティーはとても綺麗な黄金色をしています。

 

 

こんな方におすすめです!

○白内障、黄斑変性症の予防

○胃の炎症予防

○女性特有の悩みを改善

 

マリーゴールドの効果・効能

マリーゴールドには、抗酸化作用、抗消炎作用があり、創傷治癒効果に優れ、

古くから万能薬として利用されています。現在においても、さまざまな症状の治療に利用されています。

 

マリーゴールドは、炎症を抑える作用を利用したローションやクリーム、軟膏、肌荒れ、湿疹、

日焼け、軽い傷やヤケド、おむつかぶれ、虫刺され、湿疹や口唇の荒れなどに利用されています。

また、発汗や利尿作用があり、体から毒素を出してくれる作用があるので、

熱をともなう風邪のときには、マリーゴールドティーがオススメです。

 

マリーゴールドに含まれる成分

マリーゴールドの花弁には、カロテノイドの一種ルテインが豊富に含まれています。

ルテインには、抗炎症作用があり、テレビやパソコンから発せられる目に有害なブルーライトや紫外線から目を守る働きをします。

 白内障の原因のひとつに活性酸素が挙げられます。また、黄斑変性症は、

ものが歪んで見えたり見えにくくなったりといった症状が表れる疾患です。

加齢などによってルテイン濃度が低下すると、発症しやすくなります。どちらもルテインの摂取が予防に有効です。

 

花びらに含まれるヘレニエンという色素は、網膜の好気的代謝を促進することから、

暗順応改善薬の原料として目薬に用いられています。第二次世界大戦中にドイツのバイエル社が、

マリーゴールドの花びらから抽出した成分に高い暗順応改善効果があることを発見し、

ヘレニエンを有効成分とする暗順応改善薬が作られ、この薬は現在でも目の薬として使用されています。

 

胃炎や胃潰瘍を緩和する効果

マリーゴールドの抗炎症作用は肌だけでなく、胃炎や胃潰瘍など、粘膜の炎症を緩和するのにも役立ちます。

 

女性特有の悩みを改善する効果

マリーゴールドは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンに似た働きを持つ成分を含み、

生理のサイクルを整えるのに役立つと言われています。

その他、使い方は万能で、ハーブティーとしてはもちろん、マリーゴールドにはデトックス効果もあるため、

肌荒れやニキビにも使用されています。

ビタミンB群

 

【参考文献】

(1)Lutein: more than just a filter for blue light

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22465791/

(2)Treanntment of duodenal ulcers and gastroduodenitis with a herbal combination of Symphitum officinalis and Calendula officinalis with and without antacids

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7336704/

(3)Pharmacology of calenduloside B, a new triterpene glycoside from the roots of Calendula officinalis

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/700077/

(4)Shipochliev T, Dimitrov A, Aleksandrova E. (1981) “[Anti-inflammatory action of a group of plant extracts].” Vet Med Nauki. 1981;18(6):87-94.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7199215/

(5)Ozawa Y, Sasaki M, Takahashi N, Kamoshita M, Miyake S, Tsubota K. (2012) “Neuroprotective effects of lutein in the retina.” Curr Pharm Des. 2012;18(1):51-6.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22211688/

(6)Ribaya-Mercado JD, Blumberg JB. (2004) “Lutein and zeaxanthin and their potential roles in disease prevention.” J Am Coll Nutr. 2004 Dec;23(6 Suppl):567S-587S.
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/07315724.2004.10719427?journalCode=uacn20

(7)Bhosale P, Zhao da Y, Bernstein PS. (2007) “HPLC measurement of ocular carotenoid levels in human donor eyes in the lutein supplementation era.” Invest Ophthalmol Vis Sci. 2007 Feb;48(2):543-9.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17251448/

 

 

 

ベタインとは

ベタインとは

 

ベタイン(betaine)は、トリメチルグリシン(TMG)とも呼ばれるアミノ酸の一種です。

ベタインは、甘みや旨味成分として食品添加物や、調味料に用いられています。

またベタインは植物や水産物などに広く含まれる天然物質で、保湿などに関係しています。

天然アミノ酸系保湿裁剤として化粧品やシャンプーなどにも使用されています。

 

ベタインの効果

 ◎胃の健康を維持する効果

 ◎肝機能を高める効果

 ◎動脈硬化、糖尿病の予防

 ◎肌や髪の状態を保つ効果

 

ベタインは肝臓へ脂肪の沈着を防ぎ、脂肪の排出を促進することから、脂肪肝を抑制する効果があります。

さらに、脂肪肝の肝臓に対して解毒作用のあるグルタチオンの産生を促進する働きがあることから、

肝硬変や肝炎、肝ガンの進行抑制が期待できます(1)(2)(3)

 

動脈硬化の原因物質のひとつに、ホモシステインがあります。ホモシステインは、肝臓で行われるアミノ酸の代謝過程で、中間体として自然に作られる物質です。

しかし、体質や食習慣により血液中のホモシステイン量が過剰になると、血液中の過剰なホモシステインは血管拡張の阻害や、血栓の進行促進、血管硬化などを引き起こす原因になります。

ベタインはホモシステインが分解される際に働く物質であることから、動脈硬化を防ぐ働きが期待できます(4)

 

ベタインは、糖が小腸から吸収されるのを防ぎ、血糖値の急激な上昇を抑える働きやコレステロール値の上昇を抑制する働きがあることから、糖尿病の予防効果が期待できます。

 

またベタインには、胃の中の塩酸と結合し、胃液の酸度を調節する働きがあります。この働きにより、

胃の健康を保つ効果があり、医薬品としても用いられています(5)

 

ベタインには、界面活性作用があるので、化粧品などに用いられ、肌や髪に潤いを与える効果があります。

また、吸湿性や、保湿性、浸透性に優れ、髪の帯電を防止する効果もあることから、

ヘアケア化粧品などに活用されています。ベタインは、刺激も少なく敏感肌にも使用することができます。

 

ベタインの摂取量

ベタインは、個人によって摂取量が異なりますが、一般的な摂取目安量は 下記の通りです。

 ○心疾患や卒中の予防対策  : 500~1,000mg/日
 ○ホモシステイン尿症    : 6,000mg/日

 ベタインを摂取する際は、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12を一緒に摂取することが効果的です。

 

ベタインが多く含まれる食品

ベタインは水産物ではタコ、イカ、エビ、カニ、貝類に多く含まれます。植物では、

ほうれん草やビート(砂糖大根)、キノコ、などに多く含まれています。

ビタミンB群

【参考文献】

(1)Betaine protects against high-fat-diet-induced liver injury by inhibition of high-mobility group box 1 and Toll-like receptor 4 expression in rats https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23861108/

(2)Effects of carnosine plus vitamin E and betaine treatments on oxidative stress in some tissues of aged rats https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23701646/

(3)Methionine metabolic pathway in alcoholic liver injury    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23232418/

(4)Dietary choline and betaine intakes and risk of cardiovascular diseases: review of epidemiological evidence https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22577451/

(5)Betaine-palmitate reduces acetylsalicylic acid-induced gastric damage in rats https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11495075/

 

 

システインとは

システインとは

システイン (cysteine) は非必須アミノ酸の1つで、

天然にはL-システインとして、食品中タンパク質に含まれます。

体内では、必須アミノ酸の「メチオニン」から、システインが合成されます。

食品添加剤として利用され、肌のシミを改善するためのシステイン含有のサプリが販売されています。

 

システインを含む食品

食物では、赤唐辛子、ニンニク、タマネギ、ブロッコリー、芽キャベツ、オート麦、高野豆腐、ごま、卵、小麦胚芽に含まれる。

体内ではメチオニンから作り出される。

 

効果

「L-システイン」は、皮膚や髪、爪の頑丈な組織を作り出し、ハリやコシもととなっています。

なお、ビタミンCを一緒に摂ると、L-システインの働きが活発になり相乗効果が期待できるので、さらに効果的です。

L-システインは、肌細胞の生まれ変わりを正常化し、ビタミンCとの相乗効果で、

シミ・そばかすの原因でもある過剰なメラニンを排出し体の内側からシミ・そばかすを防止します。

L-システインが肝臓は働き、体の代謝(エネルギー産生)を助け、疲れ・だるさを

改善します。また、アルコールが代謝される際にできるアセトアルデヒドと直接反応して無毒化し

たり、アルコールを無害な物質に変える酵素の働きを助けるなど、二日酔いにも効果を発揮します[1]

日本国外では、胃の保護また、飲酒時のアセトアルデヒドを排除する目的ためにシステインを利用したサプリメントが開発され販売されています。

 

L-システインを含むシステインのサプリメントを長期間服用すると、副作用として髪の色素が薄くなるといわれています。

場合によっては白髪の原因になるかもしれません。過剰摂取にならないように、サプリメントなどで摂るときには用法容量を守りましょう。

生活習慣が気になる方

【参考文献】

[1]https://www.ladydrug.jp/shop/media/import/4987300058602.pdf

 

 

ビタミンEとは

ビタミンEとは

ビタミンE(vitamin E)は、脂分に溶けやすい脂溶性ビタミンの1種で、自然界に広く存在し、植物、藻類、藍藻などの光合成生物により合成されます。ビタミンEは、大きく分けるとトコトリエノール類とトコフェロール類の2つに分類されます。トコトリエールとトコフェロールはそれぞれα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)が存在するので、ビタミンEは8種類存在することになります。体内のビタミンEの作用としては抗酸化作用が広く知られています。また、トコトリエノールは、トコフェロールの約40~60倍もの力を持つことから「スーパービタミンE」と呼ばれています。

 

ビタミンEはこんな方におすすめです!

 〇冷え性、血行を良くしたい方

 ○コレステロール値をコントロールしたい方

 ○動脈硬化の予防

 〇日光を多く浴びる方

 〇喫煙者

 〇不飽和脂肪酸を多く摂る方

 〇ストレスの多い方

 

特徴・効果

ビタミンEには、強力な抗酸化作用があり、体内に発生した過剰な活性酸素の害を消去しようと働くビタミンのひとつです。偏った食事、不健康な生活習慣、心理的要因によって生じるフリーラジカル(活性酸素)から細胞を守る働きをします。フリーラジカルはDNAやタンパク質を攻撃することで、老化やガンの原因となる物質です。ビタミンEは、フリーラジカルを消すことで、自らがビタミンEラジカルとなり、フリーラジカルによる脂質の連鎖的酸化を阻止します。発生したビタミンEラジカルは、ビタミンCなどの抗酸化物質によりビタミンEに再生されます[3]。なので、ビタミンEを摂取するときには、一緒にビタミンCを摂ることが効果的です。また、ビタミンEは、身体の末端にある末梢血管を広げ、血行をよくする働きがあることから、冷え性、筋肉疲労や頭痛、肌のバリア機能を強化することから美肌にも効果があるといわれています。 血流改善により、全身に血液がめぐることで細胞の新陳代謝も活発になり、乾燥を改善したり、肌にハリが出たり色つやがよくなったりします。

 

摂取量の目安

目安量 成人男子(18–29歳) 7 mg/day

成人女子(18–29歳) 6.5 mg/day

 

上限量

成人男子(18–29歳) 800 mg/day

成人女子(18–29歳) 650 mg/day

 

ビタミンEの上手な摂り方

ビタミンEは脂溶性のビタミンなので、油と一緒に摂ると効率良く摂取できます。ただし、ビタミンEを多く含む食品は高カロリーのものが多いので、摂取量には気を付けましょう。脂肪酸は酸化しやすい多価不飽和脂肪酸であるリノール酸と、酸化しにくい一価不飽和脂肪酸のオレイン酸などに分けられます。また、ビタミンEが多く含まれる植物油は、多価不飽和脂肪酸の割合が高いものがあり、ビタミンEをより多く消費してしまう場合があります。酸化しにくい単価不飽和脂肪酸の割合を多くした食用油も出回っているようなので、購入する際は高オレイン酸などの記載のあるものをおススメいたします。

 

ビタミンEを多く含む食べ物と含有量

主要な植物油(100g)中の各種トコフェロールの含有量(mg)

食品名α-トコフェロールβ-トコフェロールγ-トコフェロールδ-トコフェロール
アマニ油0.5039.20.6
えごま油2.40.658.64.6
オリーブ油7.40.21.20.1
ごま油0.4Tr43.70.7
サフラワー油27.10.62.30.3
とうもろこし油17.10.370.33.4
なたね油15.20.331.81
パーム油8.60.41.30.2
ひまわり油38.70.820.4
大豆油10.4280.920.8
米ぬか油25.51.53.40.4
綿実油28.30.327.10.4

 

欠乏症

ビタミンEを多く含む食品が植物油であることから、極端な低脂肪食を続けているとビタミンEが不足してしまうことがあります。ビタミンE欠乏の症状としては、腕や足の感覚が鈍ったり、身体の制御能力や、視力、聴覚、免疫機能の低下などがあります。

 

過剰症

ビタミンEを過剰摂取した場合、骨が減ってもろくなる骨粗しょう症になる恐れが高まるとの動物実験の結果が報告されています。ビタミンEは、脂溶性のため体内に蓄積しやすいことから、ビタミンEのサプリメントを利用する際は、記載されている摂取量の目安に従って利用することをお勧めいたします。通常の食生活を心がけていれば、取りすぎを心配することはありません。

 

まとめ

このように、ビタミンEは、優れた抗酸化作用や、血行促進作用などを持った成分です。日常のストレスや脂分が多めの食生活が気になる方は、手軽に摂ることができるサプリメントなどを活用してみてはいかがでしょうか。

ビタミンE

ビタミンDとは

ビタミンDとは

ビタミンD (vitamin D) は、脂溶性ビタミンに分類されます。人のカラダには必須の栄養素ですが、日光を浴びることによって体内でも合成されます。ビタミンDは、ビタミンD2とビタミンD3に分類され、ビタミンD2は主にキノコ類に含まれ [1]ビタミンD3は動物性の肉類に多く含まれています。われわれ人間には、ビタミンD3が重要な働きをしているといわれています。

 

◎ビタミンDの効果

ビタミンDは、体内のカルシウムのバランスを整える効果があり、骨の健康を保つために働いています。また最近では、免疫力アップの効果やガン、糖尿病、自閉症に有効であるという報告もあります。また、妊娠しやすい体質作りにも適しているので、妊活をされている方にも注目の成分といえます。冬季に毎日ビタミンD3を摂取したグループは、摂取しなかったグループに比較して、42%も季節性インフルエンザに罹患する率が低かったという報告があります[2][3]また、ビタミンDは免疫反応への関与も示唆され、その作用および機能の多様性から、ビタミンAとともにホルモンに分類されることもあります。

 

◎ビタミンDの摂取法

人がビタミンDを得るには2つの方法があります。食べ物から摂る方法と、日光に含まれる紫外線を浴びて、体内でビタミンDを作り出す方法です。
人にとってビタミンDのいちばん大きな供給源は、皮ふにあるコレステロールです。コレステロールは日光に当たることによって、活性型のビタミンD3に変化します。

 

◎日光にあたると、どのくらいのビタミンDができるの?

私たちが、午前10時から午後3時の間に、日光浴で、少なくとも週に2回、5分から30分の間、日焼け止めクリームなしで、顔・手足・背中への日光を浴びた場合、体内で十分な量のビタミンDが合成されるといわれています[4][5]このように、ビタミンDはコレステロールを材料として、体内で合成されますが、消化管からのビタミンDの吸収量が低下すると容易にビタミンDの欠乏症になってしまいます。

 

ビタミンDの摂取量

ビタミンDの食事摂取基準(日本、2015年版)[21]
区分 目安量 (AI) 耐容上限量 (UL)
成人(男女) 5.5µg/日( 220 IU/日 ) 100µg/日( 4,000 IU/日 )

ビタミンDの多い食品[6]

 食品名    100gあたり含有量

 しらす干し          46-61µg
 焼き紅鮭             38.4µg
 いわし(缶詰)       17-20µg
 焼きさんま          15.9µg
 さば(水煮缶)       11µg

 

欠乏症

ヨーロッパではビタミンD含有のサプリメントを日常的に摂取することが一般的で、医者や政府からも推奨されています。太陽光から隔離されるような環境では、ビタミンDが不足することが示唆されています。例えば、潜水艦の乗組員の調査では、一日400IUの経口摂取でも血中ビタミンD濃度が適切に維持できないとの報告があります[7]
サプリメントからの摂取だけでなく、日光浴の大切さが、改めて確認されています。日光浴不足や、ビタミンD吸収障害、肝障害、腎障害によって体内で活性型ビタミンDへの変換が行なわれない場合や、乳製品のない菜食を継続する場合[8]には、ビタミンDが欠乏し、カルシウム、リンの吸収が進まないことによる骨のカルシウム沈着障害が発生し、くる病、骨軟化症、骨粗鬆症などが引き起こされる恐れがあります。

また、ビタミンD不足の症状として、他にも以下のことが挙げられます[9][10][11][12][13]

  ・糖尿病
  ・動脈硬化
  ・免疫力低下
  ・自閉症
  ・うつ
  ・花粉症

ビタミンDの長期にわたる安全摂取量は、健康な成人においては250µg (10,000IU)/日までとされています。販売されているサプリメントには、摂取量の目安も表示されているので、通常の使用においては、過剰摂取の心配はないといえます

ふだんあまり考えることのないビタミンDの働きですが、こんなに多くの大切な役割をしてくれています。健康のためには、不足しがちなビタミンDと一緒に、カルシウム、マグネシウム、タンパク質をしっかり摂って、日光を浴びながら適度な運動をすることが効果的です。

ビタミンD

【参考文献】

(1)動物用医薬品・飼料添加物・対象外物質※評価書 カルシフェロール及び25-ヒドロキシコレカルシフェロール”. 2018年5月17日閲覧。 第39回農業資材審議会飼料分科会配布資料

(2)http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/ajcn.2009.29094v1

(3)Urashima M, Segawa T, Okazaki M, Kurihara M, Wada Y, Ida H (May 2010). “Randomized trial of vitamin D supplementation to prevent seasonal influenza A in schoolchildren”. Am. J. Clin. Nutr. 91 (5): 1255–60. doi:10.3945/ajcn.2009.29094. PMID 20219962.

(4)Holick MF (July 2007). “Vitamin D deficiency”. The New England Journal of Medicine 357 (3): 266–81. doi:10.1056/NEJMra070553. PMID 17634462.

(5)Holick, Michael F. (February 2002). “Vitamin D: the underappreciated D-lightful hormone that is important for skeletal and cellular health”. Current Opinion in Endocrinology & Diabetes 9 (1): 87–98. doi:10.1097/00060793-200202000-00011.

(6)食品成分データベース

(7)Duplessis, Christopher A.; Harris, Eric B.; Watenpaugh, Donald E.; Horn, Wayne G. (June 2005). “Vitamin D Supplementation in Underway Submariners”. Aviation, Space, and Environmental Medicine 76 (6): pp.569-575(7).

(8)Office of Dietary Supplements – Vitamin D”. アメリカ国立衛生研究所 2018年5月17日閲覧。

(9)Natural Standard Research Collaboration (2008年3月1日). “Vitamin D”. Evidence-based monograph. en:Mayo Clinic. 2008年11月29日閲覧。

(10)Gloth, F.M. 3rd; , Alam W, Hollis B. (1999). “Vitamin D vs broad spectrum phototherapy in the treatment of seasonal affective disorder.”. en:J Nutr Health Aging 3 (1): 5-7. pmid 10888476 2008年11月15日閲覧。.

(11)Melamed ML, Muntner P, Michos ED, et al (2008). “Serum 25-Hydroxyvitamin D Levels and the Prevalence of Peripheral Arterial Disease. Results from NHANES 2001 to 2004”. en:Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 28: 1179. doi:10.1161/ATVBAHA.108.165886. PMID 18417640.

(12)Holick MF (2004). “Sunlight and vitamin D for bone health and prevention of autoimmune diseases, cancers, and cardiovascular disease”. American Journal of Clinical Nutrition Full Text 80 (6): 1678S–88S. PMID 15585788.

(13)Travera-Mendoza, Luz E. and White, John H. “Cell Defenses and the Sunshine Vitamin.” Scientific American, November 2007, p. 42.

ビタミンB群とは

 

ビタミンB群とは

ビタミンB群とは、全13種のビタミンのうち水溶性の8種の総称です。

 

  ①ビタミンB1
  ②ビタミンB2
  ③ビタミンB6
  ④ビタミンB12
  ⑤ナイアシン(ビタミンB3)、
  ⑥パントテン酸、(ビタミンB5 )
  ⑦ビオチン(ビタミンB7 )
  ⑧葉酸、(ビタミンB9)

 

ビタミンB群は、水に溶けること(水溶性)と、炭水化物をエネルギーに変える手助けをするという2つの共通した特質があります。ビタミンB群は、単独では効果を発揮しにくく、お互い助け合いながら働きます。なので、ビタミンB群は、すべての種類を同時に摂ることが望ましいのです。

 

ビタミンB群は、主にエネルギーをつくる外にも、身体の中でさまざまな働きがあります。

ビタミンB群体内の働き
ビタミンB1アルコールの代謝
神経の働きを保つ
糖質をエネルギーに変換
脳の働きを助ける
ビタミンB2過酸化脂質の分解
脂質をエネルギーに変換
成長促進
脳と肝臓の働き
皮膚や粘膜の代謝
ナイアシン
(ビタミンB3)
脂質や糖質の分解に関係
神経症状の防止
皮膚・粘膜の炎症を防止
パントテン酸ビタミンB5たんぱく質・脂質・糖質の代謝
神経、副腎皮質の機能を正常化
皮膚や毛根の発達
ビタミンB6抗アレルギー作用
脂質の抗酸化
神経伝達物質の生成
体タンパクの合成や造血
脳の働き
ビオチン
ビタミンB7
筋肉痛の緩和
白髪・薄毛予防
皮膚の健康維持
ビタミンB12

葉酸
ヘモグロビン、赤血球の
神経の働きを維持
たんぱく質の代謝
核酸の合成
合成造血作用
脳の発育

 

ビタミンB群は、普通の日本人の食生活では不足することはないと思われがちですが、食生活の偏り、加工食品の多用、生鮮食品の栄養含有量の低下などにより、多くの人に潜在性なビタミンB群の欠乏が発生していると考えられます。
腸内の細菌は、ビタミンB群を作りだしています。しかし、抗生物質が含まれた薬剤などを長期間服用すると、腸内の細菌バランスが乱れ、ビタミンB類の生産量が少なくなってしまいます。
私たちの腸管内には腸内細菌が棲み、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチン、パントテン酸といったビタミンB群や、ビタミンKの合成を行っています[1]。抗生物質の投与によって腸内細菌の働きが鈍ってしまい、体内でのビタミンが合成されずビタミンが不足することがあります[2]。

 

また、ストレス、過度のアルコール摂取、妊娠、授乳、加齢、過食なども、ビタミンB群の消費量が増える原因となります。

ビタミンB群は、脳の活動や神経伝達の働きにも貢献しています。嬉しい、楽しい、やる気を感じられる、といった健やかな心を保つのにビタミンB群は効果を発揮しています。

 

ビタミンB群の欠乏症は?

ビタミンB群が不足してしまうと、以下のような症状がでる可能性があります。

  • ビタミンB12の不足は貧血に至る可能性があります。貧血の症状には、疲労、倦怠感、息切れ、頭痛、めまい、皮膚蒼白、食欲不振、および体重減少などがあります。
  • 上記以外のビタミンB12の欠乏症には舌痛、口内炎、感覚異常、鬱等があります。
  • 葉酸不足による貧血には、しびれ、筋力低下、鬱などがあります。
  • ビタミンB1、B2不足になっても、特に症状は現れません。
  • ビタミンB9不足には下痢などの症状があります。
  • ビタミンB6の不足は、皮膚病を引き起こす可能性があります。また、鬱や感染症を引き起こすリスクを増大します。

以下の項目に該当したら、もしかするとビタミンB群不足かもしれません。

 ◎イライラしやすい
 ◎カゼを引きやすい
 ◎肩や首に疲れを感じる
 ◎口内炎ができやすい
 ◎集中力が途切れてしまう
 ◎寝てもなかなか疲れがとれない
 ◎日中に眠くなる
 ◎疲れを感じやすい

 

このように、ビタミンB群は、健康には必須の栄養素です。日常の食生活ですべてのビタミンB群をバランスよく摂取するには、食事メニューにも絶えず気を配る必要があります。
近頃
、食生活が乱れているなぁ、と感じるときには、サプリメントを利用して、速やめのビタミンB群の補給をオススメします。
その際は、ビタミンB群をバランスよく配合した、マルチビタミンサプリメントなどを活用するのも一つの方法です。

 

過剰摂取の危険性はあるの?

ビタミンB群は水に溶ける水溶性なので、身体に不要な分は汗や尿となり排出されます。なので、通常の食事から過剰摂取となる心配はほぼないといわれています。しかし、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸などをサプリメントなどで摂取する場合は、1日の摂取量を守って摂取することが大切です。

 

ビタミンB群を多く含む食べ物

 

①ビタミンB1が多く含まれる食材

豚肉や玄米、豆類等に豊富に含まれています。

順位食品名成分量100gあたりmg
1パン酵母、乾燥8.81
2米ぬか3.12
3パン酵母2.21
4ぶた肉(ヒレ、赤肉)焼き2.09
5小麦はいが1.82
6ひまわり種実類1.72
7種実類、けし1.61
8小麦、即席めん類、即席中華めん、味付油揚げ1.46
9ぶた肉(ヒレ、赤肉)生1.32
10ごま種実類1.25

 

②ビタミンB2が多く含まれる食材

レバー、卵、牛乳・乳製品などに多く含まれています。熱には比較的強く、加熱調理でも失われにくい栄養素です。

順位食品名成分量100gあたりmg
1さけめふん6.38
2ぶたスモークレバー5.17
3パン酵母、乾燥3.72
4ぶた肝臓/生3.6
5うし肝臓/生3
6あまのり、ほしのり2.68
7即席みそ(粉末タイプ)2.58
8チーズホエーパウダー2.35
9焼きのり2.33
10味付けのり2.31

 

③ビタミンB6が多く含まれる食材

ビタミンB6は、種実類、穀類、肉類にも多く含まれています。特にニンニクや玄米、鶏肉やレバーなどです。まぐろやアジ、かつお、イワシ等の魚にも多く含まれています。

順位食品名成分量100gあたりmg
1とうがらし乾燥3.81
2米ぬか3.27
3ガーリックパウダー2.32
3ガーリックパウダー(食塩添加)2.32
5にんにく茎(油いため)1.8
6バジル(粉)1.75
7にんにく(茎)生1.53
8パセリ(乾燥)1.47
9パン酵母(乾燥)1.28
10小麦はいが1.24

 

④ビタミンB12が多く含まれる食材

魚類、貝類に多く含まれます。その他、牛、鶏のレバーにも多く含まれます。

順位食品名成分量100gあたりμg
1しろさけ(めふん)327.6
2しじみ(水煮)81.6
3ほしのり77.6
4しじみ(生)68.4
5かたくちいわし(田作り)64.5
6あさり水煮(缶詰)63.8
7天然あゆ内臓(生)60.3
8あげまき(生)59.4
9あかがい(生)59.2
10味付けのり58.1

 

⑤ナイアシンが多く含まれる食材

ナイアシンは、魚介類や肉類、藻類、種実類に多く含まれます。

順位食品名成分量100gあたりmg
1まいたけ(乾燥)64.1
2たらこ(焼き)56.9
3たらこ(生)49.5
4インスタントコーヒー47
5かつお節45
6削り節37.4
7かつおなまり節35
8米ぬか34.6
9パン酵母、圧搾23.1
10パン酵母、乾燥22

 

⑥パントテン酸が多く含まれる食材

特にレバーや卵黄、豆類などに多く含まれます。

順位食品名成分量100gあたりmg
1にわとり肝臓(生)10.1
2乾しいたけ7.93
3スモークレバー7.28
4ぶた肝臓(生)7.19
5うし肝臓(生)6.4
6チーズホエーパウダー5.95
7干しやつめうなぎ5.76
8パン酵母(乾燥)5.73
9ぼらからすみ5.17
10すずめ/肉(骨・皮つき、生)4.56

 

⑦ビオチンが多く含まれる食材

ビオチンは、レバーや豆類、穀類、卵黄、ローヤルゼリーなどにも多く含まれます。

順位食品名成分量100gあたりμg
1パン酵母(乾燥)310
2まいたけ(乾燥)243
3にわとり肝臓(生)232
4からし(粉)158
5ぶたじん臓(生)100
6パン酵母(圧搾)99
7バターピーナッツ96
8らっかせい大粒種92
8らっかせい小粒種92
10うしじん臓(生)90

 

⑧葉酸が多く含まれる食材

葉酸は、緑黄色野菜、豆類、レバーなどに多く含まれています。葉酸は、ビタミンB12と共に働くため、一緒に摂ると効果的です。

順位食品名成分量100gあたりμg
1パン酵母(乾燥)3800
2パン酵母(圧搾)1900
2焼きのり1900
4味付けのり1600
5いわのり素干し1500
6パセリ(乾)1400
7にわとり肝臓(生)1300
7緑茶せん茶1300
9かわのり素干し1200
9抹茶1200
9ほしのり1200

ビタミンB群

【参考文献】

(1)独立行政法人国立健康・栄養研究所監 『基礎栄養学 改訂第2版』 南江堂、2005年10月。ISBN 978-4-524-24206-1。184頁

(2)『消化・吸収-基礎と臨床 改訂新版』 第一出版、2002年3月。ISBN 978-4804109916。343頁。

 

ヒアルロン酸とは

 

ヒアルロン酸

 

ヒアルロン酸(hyaluronic acid)は、ねばねばとしたムコ多糖という物質の一種です。

保水性がとても高く、1グラムのヒアルロン酸には、約6リットルもの水を保持することができます[1]

人間の体の中に内に広く分布し、特に皮膚、軟骨、眼球に多く存在しています[2]

その中でもヒアルロン酸の半分は皮膚に存在しています[10]

 

ヒアルロン酸は、食品の添加物として厚生労働省に認められている成分で[3]安全性が確認されています[4][5]

また米国、カナダ、イタリア、ベルギーといった国でも認められ、

それらの国でも使用に関して有害な報告は出ていません[6]

ヒアルロン酸は、国内で医薬品、化粧品、食品として広く流通しており、

最近では肌への水分補給を促進する栄養補助食品として販売されています。

 

体内のヒアルロン酸は、年齢とともに減少する性質があります。

ヒアルロン酸量は、20歳をピークに減少し、40歳代からはその減少スピードがさらに速まります。

皮膚中のヒアルロン酸は、紫外線によって損傷するとされ、75歳の人の皮膚のヒアルロン酸は、

19歳のおよそ25%の量にまで減少することが研究によって示されました[7]

 

【ヒアルロン酸の健康効果】

◎美肌効果

◎関節の動きをなめらかにする効果 

◎目の潤いを保つ効果

◎美肌効果

 

ヒアルロン酸が持つ保水力は、肌の潤いとハリには欠かせません。

肌は、コラーゲン、エラスチン、そしてヒアルロン酸によって潤いとハリが保たれています。

エラスチンは、コラーゲンの繊維を支える役割を持つたんぱく質の一種です。

ヒアルロン酸は、皮膚の中でコラーゲンとエラスチンを埋めるように存在し、

水分を蓄えることによって、皮膚の潤いを維持しています。

 

日本における研究では、ヒアルロン酸を経口摂取することで、

皮膚中の水分量が増加したとの報告があります[8]

また、ヒアルロン酸は、保湿成分として、

皮膚表面に塗ることによっての保湿作用が確認されています[9]

分子量が5万から200万までのヒアルロン酸を塗布することで、

どの分子量でも肌の水分量や弾力性が、改善されています[10]

肌の保水性が低下すると細かなシワができてしまいます。

ヒアルロン酸には、こうした乾燥性の小ジワを防ぐ効果があると考えられ、

その保湿力から多くの化粧品に利用されています[11]

 

 

◎関節の動きをなめらかにする効果 

ヒアルロン酸は、関節のクッションである軟骨に含まれ、

身体の動きをなめらかにする働きがあります。関節の中で、

ヒアルロン酸は他のタンパク質と結合し、複合体を作ることで、

軟骨の維持に重要な役割を果たしています。

関節の軟骨がすり減ると、痛みや炎症が引き起こされてしまうのです。

基礎研究では、ヒアルロン酸を軟骨細胞に与えることで、

軟骨の形成が増加したという研究が報告されています[2]

 

◎目の潤いを保つ効果

ドライアイには、目の潤いを保つヒアルロン酸が効果的です。

目は外気にさらされているため、水分を必要とします。

目の硝子体の99%は水分でできています。

ヒアルロン酸はその水分をつなぎ止めることで、硝子体を正常に保つ役割を果たしています。

 

【まとめ】

このように、ヒアルロン酸は、皮膚に潤いを与え、乾燥肌に苦しむ人々の生活の質を向上させることが期待されています。

ヒアルロン酸は、年齢とともに減少する性質があることから、

サプリメントなどの安定した形で摂取することが望ましいと考えられています。

最近では、吸収されやすいように、分子を小さく加工したヒアルロン酸が配合されたサプリメントも販売されています。

それらを上手に活用して、ヒアルロン酸を補給することが、肌の健康に大切です。

節々スムーズ・丈夫な骨格づくり

 

(1)Jegasothy SM, Zabolotniaia V, Bielfeldt S (March 2014). “Efficacy of a New Topical Nano-hyaluronic Acid in Humans”. J Clin Aesthet Dermatol 7 (3): 27–9. PMC: 3970829. PMID 24688623.

(2)寺下隆夫、白坂憲章、楠田瑞穂、若山祥夫「鶏冠由来低分子ヒアルロン酸の化学組成とヒト肌への臨床試験による保湿効果」『近畿大学農学部紀要』第44号、2011年、 1-8頁。

(3)林裕造 (1996年)「既存添加物の安全性評価に関する調査研究」、平成8年厚生科学研究報告書, p82

(4)United States National Library of Medicine Hyaluronate Sodium

(5)大西瑞男ら (1992)「ヒアルロン酸ナトリウム(SH)の変異原性試験」『薬理と治療』20(3), p767

(6)M, Tashiro T, Yoshida H etal. (January 2016). “Oral hyaluronan relieves knee pain: a review”. Nutr J 15: 11. doi:10.1186/s12937-016-0128-2. PMC: 4729158. PMID 26818459.

(7)M, Sakai S, Yoshida H, Okado N, Kaneda H, Masuda Y, Urushibata O (2017). “Oral hyaluronan relieves wrinkles: a double-blinded, placebo-controlled study over a 12-week period”. Clin Cosmet Investig Dermatol 10: 267–273. doi:10.2147/CCID.S141845. PMC: 5522662. PMID 28761365.

(8)Kawada C, Yoshida T, Yoshida H, Matsuoka R, Sakamoto W, Odanaka W, Sato T, Yamasaki T, Kanemitsu T, Masuda Y, Urushibata O (July 2014). “Ingested hyaluronan moisturizes dry skin”. Nutr J 13: 70. doi:10.1186/1475-2891-13-70. PMID 25014997.

(9)松永由紀子「自己溶解型マイクロニードル技術の化粧品領域への応用」『Drug delivery system』第30巻第4号、2015年、 371-376頁、 doi:10.2745/dds.30.371。

(10)Pavicic T, Gauglitz GG, Lersch P, Schwach-Abdellaoui K, Malle B, Korting HC, Farwick M (September 2011). “Efficacy of cream-based novel formulations of hyaluronic acid of different molecular weights in anti-wrinkle treatment”. J Drugs Dermatol 10 (9): 990–1000. PMID 22052267.

(11)笹井愛子、鈴木貴弘、杉井祐太、辻本広行「ヒアルロン酸を内包したPLGAナノ粒子による抗シワ効果検証」『粉砕』第62巻、2018年、 79-85頁、 doi:10.24611/micromeritics.2019015。