こんにちは!
サプリメントアドバイザーのヒロキです。
今回のテーマは「ハーブ」です。
ハーブとは、一般的に料理の香り付けや、保存料、薬、香料、防虫などに利用される有用植物の総称です。種子、実、根、樹皮などは香辛料として使用されることもあります。
日本でも、ハーブは煎じて飲むなど、香りに鎮静作用があるもあり、広く定着しています。
アメリカにおいてハーブは、サプリメントの一つのカテゴリーとして位置づけられ、近年、ハーブ市場は、ここ10年で83%の急成長を見せています。
ハーブには、「天然由来」「自然」というイメージがあります。
多くの消費者は「ナチュラル」なものは、より高品質でより安全なものと受け止めていますが、実は、自然、天然成分ならではのリスクがあることも指摘されています。
この問題について、学会誌(Regulatory Toxicology and Pharmacology)に、米国毒性学会2019年大会で行われた自然・天然成分のリスクに関するシンポジウムをまとめた報告書が掲載されました。
ハーブを利用している方や、これから使用したいと思っている方には、ぜひ、知っておいて頂きたい情報です。
天然由来成分のリスクを知り、十分注意したうえで、上手にハーブ製品を使用することが重要です。
その報告書のタイトルは、
「”天然”と”安全”は、同じ意味ではない。天然成分と医薬品との併用による毒性について」
「”Natural” is not synonymous with “Safe”: Toxicity of natural products alone and in combination with pharmaceutical agents.」
です。
報告書によって指摘された点は、次の4点です。
●「栄養補助食品健康教育法(DSHEA)」が米国連邦議会で可決されてから25年が経過し、サプリメント市場は急速に拡大した。
●サプリメントのカテゴリーのひとつである「ハーブ」の売上高は、2008年から2018年の10年で、48億ドルから88億ドルへと83%の成長率を遂げた。
●消費者は「ナチュラル(自然)」を「セイフティ(安全)」と同じようにとらえがちであるが、天然由来の成分が毒性を有する可能性があることは、研究者には広く認識されている。さらに天然由来の成分のなかには、医薬品と一緒に摂取されたときに、薬物の性質と代謝、送達に変化を与える可能性があり、本来の医薬品が目的とする治療効果を、増強したり、或いは、妨げてしまう作用を持つことがある。
●しかし、ハーブ製品は、天然由来成分であることから、その毒性に関する関心は低く、摂取の影響やリスクは過小評価されてしまう可能性がある。
という内容でした。
栄養強化食品や、ハーブを含むサプリメントは、思わに形で、医薬品の作用に影響を与えてしまう場合があることが指摘されています。
ハーブと薬との飲み合わせなどは、医師などの専門家に相談した方が良いといえるでしょう。
一方で、ハーブは、古くから人々の間で愛され、重宝されてきた歴史があります。
ハーブは、心地よい匂いを楽しめるだけでなく、安眠、花粉症、生理痛や貧血、ダイエット、リラックス作用、風邪や筋肉疲労、蚊よけ対策など、様々な場面で利用されてきました。
天然由来成分のリスクを知り、十分注意したうえで、上手にハーブ製品を使用していきましょう。
出典:Regul Toxicol Pharmacol. 2020 Mar 18;113:104642.
URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0273230020300684?via%3Dihub