アスコルビン酸カルシウム

 

 

【アスコルビン酸カルシウム】

 

アスコルビン酸カルシウムは、多くの方にとっては、耳にする機会の少ない成分かもしれません。「アスコルビン酸」は、ビタミンCの別称です。そこに、カルシウムが結合した物質が、アスコルビン酸カルシウムです。食品の酸化防止や、ビタミンC 及びカルシウムの栄養強化等に使用されています。

L-アスコルビン酸は、胃や腸管への刺激作用が強く、消化器のあまり強くない方は下痢などを引き起こしやすくなります。そこで、アスコルビン酸特有の刺激を緩和する目的で、カルシウム塩を化学的に結合させアスコルビン酸カルシウムとして使用します。(1)

そのことにより、アスコルビン酸カルシウムは、ビタミンC単独で摂取するよりも、腸への刺激が少なく、胃腸の弱い方にとっても安心して利用できる、やさしい成分であるといえます。

なお、L-アスコルビン酸カルシウムは小腸から吸収される割合が高く、摂取によりカルシウムの吸収が改善するという報告があります。(2)-(4)

L-アスコルビン酸カルシウムは、経口摂取した場合、消化管内でL-アスコルビン酸とカルシウムになって吸収されると考えられ、基本的な性質はアスコルビン酸と同じです。
内閣府の審議会等で、食品安全基本法に基づいて食品安全行政を行う食品安全委員会の添加物専門調査会において、アスコルビン酸カルシウムを評価した結果、安全性に懸念がないと評価されているので、副作用を心配することなく摂取できる成分です。

 

アスコルビン酸(ヴィタミンC)の詳しい説明は、こちらの記事

ビタミンC

【参考文献】

(1)Higdon J. The bioavailability of different forms of vitamin C.
http://lpi.oregonstate.edu/ss01/bioavailability.html

(2)Cai J, Zhang Q, Wastney ME, Weaver CM. Calcium bioavailability and kinetics of 16
calcium ascorbate and calcium acetate in rats. Exp. Biol. Med. (2004)229: 40-45.

(3)Morton DJ, Barrett-Connor EL, Schneider DL. Vitamin C supplement use and bone
mineral density in postmenopausal women. J. Bone. Miner. Res. (2001) 16: 135-140.

(4)Tsugawa N, Yamabe T, Takeuchi A, Kamao M, Nakagawa K, Nishijima K, Okano T.
Intestinal absorption of calcium from calcium ascorbate in rats. J. Bone. Miner. Metab.
(1982)17: 783-808.

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