こんにちは!
サプリメントアドバイザーのヒロキです。
今回の話題は、「プロバイオティクス」です。
プロバイオティクス(Probiotics)とは、人体に良い影響を与える善玉菌などの微生物、または、それらを含む製品や、食品のことをいいます。
人間の体内には多くの微生物が存在しています。それら微生物の体内バランスをベストな状態に保つことが、健康を保つ秘訣であるといわれています。
そのためには、乳酸菌に代表される善玉菌を食品やサプリメントなどの健康食品から、積極的に摂取することで、消化器系のバランスを改善し、病気の発生を未然に抑えることができるとされています。この考えは、抗生物質(アンティバイオティクス)の副作用や、抗生物質によって生まれた耐性菌の発生に対抗しようとする考え方から生まれたものです。
こうしたなか、高血圧治療に関する専門学術誌(Current Hypertension Reports)に、プロバイオサプリを摂取した際の効果を評価したレビュー論文が掲載されました。
論文のタイトルは、
「高血圧患者に対するプロバイオティクスの効果:系統的レビューとメタ分析」
「Effects of Probiotics on Patients with Hypertension: a Systematic Review and Meta-analysis.」
です。
この研究の目的は、高血圧患者がプロバイオティクスサプリメントを摂取した場合の、血圧やボディマスインデックス(BMI)、および血糖値に与える影響を評価することです。
調査分析方法として、研究チームは、医学論文のデータベースを利用し、高血圧患者のプロバイオティクスサプリメント摂取に関する先行研究を抽出調査しました。データベース(PubMed、Cochrane、Embase、ProQuest)を使用し、医学科学用語および自由記載語を組み合わせて、データベース開始から2020年1月20日までに収載された論文を検索しました。抽出された論文は研究の質を評価し、統計学の手法により各研究間の不均一性を補正した。 その結果、2002年から2019年の間に発表された14報の研究論文を分析対象としました。
抽出をもとに、総勢846人の高血圧患者の研究データを調査しました。
調査結果は、
プロバイオティクスの摂取により、
収縮期血圧は-2.05 mmHg(95%CI:-3.87、-0.24、P = 0.03)
拡張期血圧は-1.26 mmHg(95%CI:-2.51、-0.004、P = 0.047)
体格指数(BMI)は-1.03(95 %CI:-1.28、-0.97、P <0.01)
血糖値は-0.18 mmol / L(95%CI:-0.30、-0.05、P = 0.007)
となり、低減作用が確認されました。
本研究により、高血圧患者、特に糖尿病を合併する患者のプロバイオティックサプリメント摂取が、収縮期血圧、拡張期血圧の両方を有意に減少させることが確認できました。
また、プロバイオティクスのサプリメントの摂取がBMI値および血糖値を下げる効果があることも同時に確認されました。
最近は、腸内細菌叢の認知が進み、プロバイオの整腸作用や免疫やアレルギーに対する有効性は、広く浸透してきました。
今回の研究発表により、腸内環境改善を介した、血圧や血糖値、肥満への作用も明らかになり、プロバイオの生活習慣病の予防や、改善作用が、今後、注目されていくと思われます。
日常生活において、プロバイオの効果を得るためには、納豆などの発酵食品や、ヨーグルトなどの乳製品を食生活に取り入れることが良いとされています。
また、善玉菌は、同じものを摂るよりも、多種多様なものを摂ることが重要だと言われています。
ぜひ、プロバイオを習慣化して、続けていきましょう。
プロバイオの多様な機能性に、ますます期待が高まっています。
出典:Curr Hypertens Rep. 2020 Mar 21;22(5):33.
URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s11906-020-01041-5