知らないと損!魚が育ち盛りの子どもの脳に与える影響とは?


こんにちは!

サプリメントアドバイザーのヒロキです。

 

今回のテーマは、魚です!

魚には、脂肪酸が豊富に含まれています。その中の有用な成分としてDHAやEPAがあります。

それらには、血液をサラサラにしたり認知機能への効果など、

近年、その高い栄養効果に注目が集まっています。

 

特に、高齢者の認知機能低下の抑制、小児の脳の発達と、

魚の摂取量の関係を調べる研究が盛んに行われています。

 

今回は、オックスフォード大学出版局が運営する「オックスフォードアカデミック」に掲載された研究論文です。

 

テーマは、

「健康な8~9歳の小児における認知的および社会情緒的機能に及ぼす油性魚の摂取の影響:ジュニア無作為抽出試験」

Effects of oily fish intake on cognitive and socioemotional function in healthy 8–9-year-old children: the FiSK Junior randomized trial

です。

さて、どのような結果が出たのでしょうか!

まず、今回の研究を行う背景として、魚に含まれている長鎖不飽和脂肪酸を、小児期が摂取する場合、それらが脳に蓄積され、脳機能の発達に影響を与えるということは知られていたが、小児を対象とした認知機能および社会情動機能に対する長鎖不飽和脂肪酸の無作為比較試験に関する従来の研究では、一貫した結果は確認されておらず、魚の摂取が認知機能や社会情動機能に及ぼす影響を十分に評価したとはいえない。という認識が存在していました。

 

今回の、研究目的は、脂ののった魚の摂取が小児の認知機能および社会情動に及ぼす影響を数値的スコアとして評価し、また、その影響に性差があるかを検討することとしました。

具体的な、方法として、

8~9歳の健常児(n = 199)を無作為に2群に振り分け、12週間の追跡をおこなった。2群はそれぞれ、1週あたり300gの脂ののった魚を摂取する群と、一方は鶏肉を摂取する群とし、研究開始時および研究終了時に注意力、情報処理速度、実行機能、記憶、感情、行動といった、認識機能に関するテストと自記式質問紙調査により評価した。さらに、赤血球の脂肪酸組成を分析した。

結果として現れた数値は、

197人(99%)の小児が試験を完了し、魚を摂取した群の小児は、1週あたり約375グラムの脂ののった魚を摂取した。

脂ののった魚を摂取した群は鶏肉を摂取した群に比べ、赤血球に占める長鎖不飽和脂肪酸の割合が2.3%ポイント(95%CI:1.9-2.6)高くなった。

全体的な認知機能スコアは、鶏肉を摂取した群と比較して魚を摂取した群では0.17ポイント(95%CI:-0.01-0.35)向上していることが確認された。

これは長鎖不飽和脂肪酸の摂取により、認知機能スコアは量依存的に改善することを示唆していた。

また、「注意力」に関する項目については、エラーの減少が確認された(-1.9(95%CI:-3.4- -0.3))。さらに「注意力」に追随して生じる認知の「柔軟性」については、反応がより速くなっており、認知の「柔軟性」が改善したことが示唆された(-51(95%CI:-94- -7))。

魚を摂取した群では、全体的な情動による問題発生が抑制される傾向を反映して、保護者が評価した総合的な課題スコアの減少が確認された(-0.89)。よって内向化課題のスコアが減少(-0.63(95%CI:-1.11、-0.16))した。

脂の乗った魚を摂取することによる総合的な影響は男女ともに類似したものであった。

 

本研究が示した結論は、以下の4点です。

 

・脂ののった魚の摂取量に比例して、認知機能が向上していたことが示唆された。

・特に注意力と認知の柔軟性の向上、社会情動的な課題の軽減に寄与していた。

・男女の差、無く同じ結果が得られた。

・本研究の結果は、小児の脳機能向上をもたらす長鎖不飽和脂肪酸の摂取の重要性を明らかにした。

※試験はアメリカ連邦政府の臨床研究登録制度で登録済みとなっている。(NCT02809508)

 

この研究によって、脂ののった魚を成長期の子ども達に食べさせる重要性が明らかになりました。

特に、魚に豊富に含まれている栄養成分、DHAやEPAは、育ち盛りの子どもの脳機能の発達にとても重要です。

肉類と違って魚には骨などがあり、子どもが食べづらいと感じて苦手意識を持ってしまう場合が多いかもしれません。

どうしても、魚が苦手な子どもには、サプリメントなどを取り入れてみてはいかがでしょうか。

ぜひ、脂ののった魚を積極的に子どものメニューに加えてみましょう!

勉強・お仕事冴えさえ

【参考文献】

Effects of oily fish intake on cognitive and socioemotional function in healthy 8–9-year-old children: the FiSK Junior randomized trial

https://academic.oup.com/ajcn/article/112/1/74/5855515

 

 

 

身体における「脂質」の特性と役割

 

「脂質」の特性と役割

 

「脂質」と聞くと、肉の脂身やラードのようなコッテリとした脂分を想像してしまい、
「カロリーが高いので、あまり摂取しない方がよい」など、あまり良くないイメージを持っている方が多いかもしれません。

 

しかし!
「脂質」は6大栄養素のひとつで、身体活動のエネルギー源としての役割をはじめ、その他にも非常に重要な働きがあるんです。

 

この記事では、「脂質」の重要な役割や「一日にどのくらいの量を摂取すればいいの?」といった疑問にお答えしていきます。

 

脂質の役割

脂質には次の3つの役割があります。

 

①分泌物質の体内合成

コレステロールは、生体で作られる重要な物質で主に脂質が原料となります。一定量までは「炭水化物」などから作られますが、それで全てを補うことはできません。なので、成長期などに極端な脂質の摂取制限をすると、身体の成長に影響が出てしまったり、肌や皮膚の異常、神経伝達機能に障害が生じる可能性もあります。

 

②脂溶性ビタミンの運搬、吸収

ビタミンA、D、E、Kは脂溶性ビタミンと呼ばれ、水ではなく油に溶けやすいビタミン類です。それらのビタミンを効率よく摂取するには、脂質を含む食品と合わせて摂ることでが効果的です。逆に言えば、一定量の脂質の摂取がなければ、これら脂溶性ビタミン類をいくら摂ってもビタミン欠乏を引き起こす可能性があると言えます。

 

③食事に満足感と楽しみを与える

やはり、脂分を豊富に含んだ食物はおいしく感じるものです。脂ののった肉や魚、そして揚げ物。食べたときの満腹感は捨てがたい幸福ですね!さらに、脂っこい物は消化が遅いので腹持ちが良く、他の食品に比べ満腹感が持続します。

 

脂質の性質

  • 脂質は体内で、エネルギー源として必須の栄養素です。脂質が産生するエネルギーは糖質やたんぱく質の約2倍カロリーに当たる9kcal/グラムで、熱量が高く長時間の活動に適したエネルギー源といえます。

 

  • 脂質は皮下や腹腔に蓄えられ、体温を維持する機能があります。また、外部からの衝撃から体を守る役割も担います。体内で利用されない分は脂肪細胞内に蓄えられるために、過剰に摂取すると肥満の原因にもなるので、適量の摂取を心がけましょう。

 

 

脂質の種類

 

脂質の大部分を占める成分である脂肪酸は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)からできて、炭素結合のしかたで大きく2種類に分類されます。分子構造と聞くと、何か難しそうですが、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分類され、体内でもそれぞれ違った働きをします。

 

 【脂肪酸の種類】

 ①飽和脂肪酸

 ②不飽和脂肪酸

 

①飽和脂肪酸とは

飽和脂肪酸は、肉の脂身や乳製品、バター、ラードなどの動物性脂肪に多く含まれています。分子的には、鎖状につながった炭素結合に二重結合がない脂肪酸をいいます。融点が高く、一般的に固形で常温でも固まっているものが多い。体内では、中性脂肪やコレステロールなど血液中の脂質濃度を上昇させる作用があり、血液中に増えすぎると動脈硬化や高脂血症の要因になります。

 

②不飽和脂肪酸とは

不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸より融点が低くいので、常温では液状で、植物油に多く含まれています。不飽和脂肪酸の分子内には、炭素同士が二重結合している部分があり、二重結合が1カ所のものを一価不飽和脂肪酸、2カ所以上のものを多価不飽和脂肪酸といいます。

 

一価不飽和脂肪酸

代表的なものには、オリーブ油などに含まれるオレイン酸があります。オリーブの代表的な産地である地中海沿岸において心疾患による死亡率が低いのは、食生活にオリーブ油を多用しているから、といわれています。一価不飽和脂肪酸は他の脂肪酸に比べて酸化しにくいので、有害な過酸化脂質をつくりにくいという特長があります。

 

【代表的な一価不飽和脂肪酸】=「オレイン酸」

オレイン酸は、オリーブ油などの植物油に多く含まれています。血中の悪玉コレステロールを減らして、胃酸の分泌を調整したり、腸の運動力を高めたりする働きがあります。植物油のほか脂やラードにも含まれ、これらの動物脂には飽和脂肪酸も含まれることから摂り過ぎには注意が必要です。

 

 

多価不飽和脂酸

多価不飽和脂酸は、体内では合成されないか、あるいは合成されにくい脂肪酸です。細胞膜やホルモンの原料となります。体にとっては不可欠な脂肪酸であることから、必須脂肪酸ともいわれています。

多価脂肪酸の分子を構成する炭素原子のうち、末端から6番目が最初の二重結合をしているものをn-6系脂肪酸、また、3番目に二重結合があるものをn-3系脂肪酸と呼びます。

 

代表的なn-6系脂肪酸

【リノール酸】

サフラワー油などに含まれています。血中の悪玉コレステロール値を下げると同時に、血圧を下げる効果もあります。ただし、酸化されやすいため、保存や料理に使う際は、ひと工夫すると良いでしょう。

 

【アラキドン酸】

肉、卵、魚などに多く含まれます。体内において、免疫系の機能や血圧を調整する機能があります。ただし、これらの脂肪酸は摂り過ぎてしまうと、善玉コレステロールの減少を起こすことによって、動脈硬化やアレルギーを引き起こす原因にもなるので、最適な摂取量を心がけてください。

 

 

代表的なn-3系脂肪酸

 

【αーリノレン酸】

ごま油やクルミ、シソ、エゴマなどに多く含まれ、体内でDHAやEPAに変換されてアレルギーなどを予防する効果があります。また、血液の流れをよくしたり、高血圧を予防する働きもあります。

 

【EPA(エイコサペンタエン酸)】

魚の脂肪に多く含まれています。血液の状態を健康に保ち、血栓ができにくくしたり、高脂血症を予防することから、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を予防するという働きが期待されています。

 

【DHA(ドコサヘキサエン酸)】

DHAは、EPA同様、魚の脂肪に多く含まれています。DHAは、脳や網膜などの神経系に豊富に含まれている栄養素であることから、DHAを摂取すると「頭の働きがよくなるのでは?」といった期待から、一躍有名になりました。

 

コレステロール

体内に存在する脂質の一種で、人間の血液中だけでなく、脳、内臓、筋肉など全身に広く分布しており、細胞膜、性ホルモンや副腎皮質ホルモン、脂肪の消化吸収を助ける胆汁の材料になります。また紫外線を浴びることによって、体内でビタミンDを作り出す前駆体となる重要な物質です。
コレステロールはレバー、卵、魚卵、ウナギ、イカなどに多く含まれています。肝臓や小腸などで作られたコレステロールは、血流に乗って全身に運ばれます。コレステロールは、不溶性脂質なので、タンパク質と結合し、水に溶けやすい状態に形を変える必要があります。この時にコレステロールを全身に運ぶ役割を担うたんぱく質をLDLといい、一方で、体内で余ったコレステロールを回収して肝臓に運び、胆汁やホルモンとして再生させるタンパク質をHDLといいます。LDLが多くなると、動脈硬化などを招く原因になるので「悪玉コレステロール」、一方でHDLは血管内をきれいにするので「善玉コレステロール」と呼ばれています。コレステロール値を問題にするときは、LDLとHDLを区別して考える必要があります。

 

脂質の正しい摂取方法

一口に「脂質」といっても、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸、更に不飽和脂肪酸には、n-9系の一価不飽和脂肪酸、n-6系の多価不飽和脂肪酸、n-3系の多価不飽和脂肪酸があることが解りました。どの脂肪酸も何らかの形で健康に役立っています。大切なのは特定の脂肪酸に極端に偏ることなくバランスよく摂取することです。
では、どの様な目安で摂取すればいいのでしょうか。「食事摂取基準(※1)」によると、脂質の摂取量に関して、総脂質量、飽和脂肪酸量、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸の摂取量が、それぞれ定められています。

 

脂質の食事摂取基準(目標量)

成人男女総エネルギーの20~30%未満が目標です。

 

n-6系脂肪酸の食事摂取基準(目安量)

成人男性8~11g/日

成人女性7~8g/日

 

n-3系脂肪酸の食事摂取基準 (目安量)

成人男性2.0~2.4g/日

成人女性1.6~2.0g/日

 

食品でとる場合の目安

ハンバーガー(1 個) 約20g

カレーライス(1 人前) 約26g

クロワッサン(1 個) 約10g

とんかつ(ロース90g) 約36g

鶏モモ肉 照り焼き(80g) 約15g

さんま塩焼き(1 尾) 約19g

マグロ(とろ50g) 約12g

鯛の刺身(80g) 約9g

ポテトサラダ(1 人前) 約15g

ショートケーキ(1 個) 約15g

ポテトチップス(1 袋) 約30g

マヨネーズ(大さじ1) 約9g

ドレッシング(大さじ1) 約6 g

マーガリン(大さじ1) 約11g

おにぎり(1 個) 約1g

ちらしずし(ごはん200g) 約5g

食パン(1 枚) 約3g

冷やっこ(100g) 約3g

納豆(1 パック50g) 約5g

あじ塩焼き(1尾) 約1g

マグロ(赤身50g) 約2g

たこ刺身(80g) 1g 以下

ほうれん草ゴマ和え(1 人前) 約3g

たい焼き(1 個) 約1.5g

おかき(30g) 1g 以下

トマトケチャップ(大さじ1) 0.1g 以下

ノンオイルドレッシング(大さじ1) 0.5g 以下

いちごジャム(大さじ1) 0.1g 以下

 

(※1)食事摂取基準とは

食事摂取基準とは、国民の健康の維持・増進を図るために、エネルギー・栄養素欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的として、厚生労働省が策定している食事で摂取するべきエネルギーや栄養素の量の基準のことです。2009年からは消費者庁に管理が移管されています。5年ごとに策定され、現在では、2020年版が最新のものになっています。たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの栄養素について、過不足なく摂取できるとされる平均的な量や、それ以上摂ると生活習慣病につながる恐れがある量(耐用上限量)が設定されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

免疫機能を高める5つの方法

 

免疫機能を高める5つの方法

新型コロナウィルス感染症の流行拡大が続いていますが、有効なワクチンや治療法は未だ確立されていません。

不安や動揺等を感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで、未知の疫病から自分自身を守るためには、各自が持つ「免疫機能を高めること」が重要になります。

でも、そもそも免疫って何?

どうすれば効果的なの?

という方も多いのではないかと思います。

 

「免疫」とはよく聞く言葉ですが、一口に免疫といっても、様々な機能があります。

  「自己と非自己を見分ける機能」

  「病原体等を侵入・増殖させない機能」

  「一度さらされた病原体に即応する機能」

  「異常な『自己』を判別する機能」…など、

免疫とは、非常に複雑なシステムです。

 

実際に、同じような環境で生活をしていても、風邪なんて全くかかったことがないという人もいれば、ちょっとしたことですぐに風邪気味になってしまう人もいます。そこには「免疫機能」が大きく関係していることは事実で、日頃の生活習慣によって、結果的に大きな違いがでてきます。ここでは、健康な毎日を送るために、知っておきたい免疫の仕組みや、免疫機能アップのために効果があるとされている方法をご紹介いたします!
どれも生活の中で、今すぐできることばかりなので、ぜひ取り入れて、元気に毎日を過ごしましょう

 

免疫機能が改善する5つの方法!

 ①よく笑う 

 ②腸内環境を改善する。

 ③体温を上昇させる。

 ④適度に運動する。

 ⑤良質な睡眠をとる。

 

先ずは免疫の仕組みを理解しよう

免疫は私たちの体を守ってくれる重要な仕組みです。その働きが低下すると、感染症にかかりやすくなったりするだけでなく、様々な病気の発症リスクも増えてしまいます。では、どのようにすれば免疫を高めることができるのでしょうか?まずは免疫の仕組みについて知ることが大切です。
免疫とは細菌やウイルスから体を守ってくれる防御システムのことです。免疫には自己免疫と獲得免疫の2種類があります。自己免疫とは、身体の中に細菌やウイルスといった病原体が侵入すると、その侵入してきた病原体に対してそれに対抗できるように自分を守るものを作って病原体を攻撃をします。この病原体のことを抗原、対抗するものを抗体といいます。
一方で、獲得免疫とは、過去に一度、体内に入ったことのある病原体が再度、侵入してきた場合、すでに記憶されている免疫細胞が活性化し、侵入してきた抗原を攻撃して追い払うシステムのことを言います。例えば麻疹や風疹などは、一度、罹った人が二度とかかることがないのは、この獲得免疫の働きによるものです。この自然免疫と獲得免疫が相互に作用しながら、人の免疫システムは維持されています。

ここでは、日常生活の中で心がけたい5つの方法について紹介いたします。この5つを生活習慣の中に取り入れてみてください!そてでは、解説していきます!

 

やはり、笑うことは大切です!

忙しい日常を過ごしていると、つい毎日が同じことの繰り返し。小さな幸せや面白さを見逃してしまい、笑顔になっていない自分に気づく方も多いかもしれません。笑顔には大きな健康効果があるのをご存知ですか?笑顔は、とても大きな健康効果をもたらします。人は日常生活の中で様々なストレスを受けています。ある程度のストレスは人生にメリハリを与え、人間の成長にもつながり、無くては成らないもので良い面もあります。一方で、大きく長く続くストレスは免疫に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。皆さんはストレスを解消するときに、何をしますか?実は、一番簡単で手軽なストレス解消法が笑うことなのです。
ストレスが免疫を下げてしまう。その理由は、自律神経のはたらきにあります。自律神経には交感神経と副交感神経があり、活溌な活動をしている時には交感神経が、一方でリラックス時には副交感神経がより優位になります。交感神経が優位の状態では、白血球の一部である好中球、好酸球、好塩基球といった顆粒球が増加することが確認されています。

つまり、ストレスは交感神経を興奮させ、その興奮が長く続いた場合、顆粒球による活性酸素やサイトカインの産生が活発となり、免疫の働きに重要なリンパ球の働きを抑制してしまうのです。その結果、慢性的なストレスを感じている場合には、免疫が低下してしまうのです。

ストレスが免疫を含む身体に及ぼす影響は思っている以上に大きく、ストレスへの対処法を身につける事はとても大切です。毎日悩みすぎて塞ぎ込んでいては、良くありません。くよくよしないで、なんとかなると笑って生きることが、免疫力アップに繋がります。毎日が忙しく、いつも時間に追われている人は、なかなかゆったりとした時間がもてないかもしれません。さらに、ストレスからつい暴飲暴食をしてしまうなんてこともあるかもしれません。また、責任感が強くまじめな人は、つい頑張りすぎて無理をしてしまうことも多いのではないでしょうか。時には仕事を早めに切り上げて、30分だけでも早く帰れるようにしてみましょう。適度に「手を抜く」ことも、必要かもしれません。テレビやYouTubeなどでお笑いコンテンツを見るのも良いかもしれませんね!
毎日の生活に笑いを取り入れて、リフレッシュしてみましょう!

 

腸内環境を改善する

免疫を高めるポイントは、腸にも大きく関連しています。私たちが生きていくために必要な食事。その食べ物を消化・吸収するのが腸です。食べ物には、有害な病原菌やウイルスが付着している危険性もあります。そうした有害なものが体の中に侵入することを防ぐため、腸には大きな力が備わっています。免疫の働きの60~70%は腸にあるといわれているほどです。
腸にある免疫細胞は、腸を守るだけでなく、血液に乗って全身に運ばれ、体の各所で病原菌やウイルスなどの敵を見つけて攻撃します。インフルエンザや肺炎などに対する力も、腸での免疫細胞と密接に関係していることが、最新研究でわかってきました。つまり腸内環境を良好に保つことが、免疫の低下を防ぐことに関係しているのです。
その要となるのが腸の中に存在する細菌です。腸の内部では、多様な細菌が絶えず増殖を続けています。腸内の細菌は、善玉菌と、悪玉菌とに分けられます。善玉菌には「感染症や便秘を予防する」「免疫機能を刺激して病気を防ぐ」「悪玉菌の増殖を抑える」などの、体にとってプラスの作用があるとされ、ビフィズス菌や乳酸菌がその代表格です。

一方、悪玉菌は「腸内のタンパク質を腐敗させて有害物質をつくり出す」など、体にとってマイナスに作用します。善玉菌が減って悪玉菌が多くなると、有害物質が発生しやすくなり、さまざまな体の不調や病気の原因になるといわれています。

そう考えると、人間の免疫を支えているのは、ビフィズス菌などの善玉菌であるともいえます。体の健康には、腸内のビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やす必要があります。
そのためには、日常生活の中で発酵食品や繊維質を取り入れ、バランスの良い食事を心がけることが重要です。ヨーグルト、漬物、味噌といった発酵食品、そして食物繊維やオリゴ糖は、免疫を担当する細胞のバランスを改善すると考えられています。食物繊維をエサとして増殖する酪酸菌も、酪酸を生成して腸の粘膜を修復し、免疫機能を高める効果があるとされています。
さらに、トマトやリンゴ、お茶などに含まれるポリフェノール類、青背魚に多く含まれるEPAも、炎症を抑えることで、腸における免疫機能に大きく関わっています。私たちの体内には、1000種類以上、600~1000兆個もの腸内細菌がいるといわれ、その構成も一人ひとり異なっていることがわかっています。例えばヨーグルトであっても、同じものを食べ続けるのではなく、一定期間を置いて種類を変えてみることもお勧めです。また、私たち日本人になじみ深い味噌は発酵食品であるだけでなく、微量ミネラルの亜鉛を含んでいるため、免疫機能の向上が期待できます。ちなみに亜鉛は、発育や成長にも関わっているほか、皮膚代謝や糖代謝を維持するためにも必要です。そのため、亜鉛が欠乏すると、皮膚疾患や食欲不振、味覚障害をはじめとしたさまざまな症状が現れることがあります。
その他、免疫に役立つ栄養分としては、「成長ホルモンの分泌を促進」「筋肉増強」「血流改善」「精神・肉体強化」「男性機能の改善」などの効果が期待されるアルギニン、朝鮮人参よりも高い治療効果をもつとされ、疲労回復、男性機能の強化に関する効能をもつと報告されているトンカットアリなどが挙げられます。また、全粒穀物、緑茶、ヌルヌル食品といわれている、めかぶ、オクラ、モロヘイヤ、海藻、こんにゃくなど水溶性食物繊維を含む食品なども、免疫機能を高める効果が報告されています。

腸内環境を整えることは便秘の解消にも結びつき、肌荒れなどのトラブルを減らす効果もあります。乳酸菌や食物繊維繊に免疫機能を高める効果があることがわかりました。バランスの良い食生活を心掛け、腸内環境を整えましょう!また、これらの栄養素を効率的に補給できるサプリメントを利用するのも一つの方法です!

 



体温は高めに!

体温を高めに保つ工夫をしましょう。
その理由は、体温が高いとリンパ球が増えて活性化し、免疫機能が高まるからです。また血流がよくなることで、白血球が体中のすみずみまで行き渡る効果も期待できます。もう一つの理由が体内酵素の活性化です。
食べ物の消化吸収や細胞の新陳代謝は、酵素が重要な役割を果たしています。その酵素の活性が最も高まるのは、体温が37度前後の時であるといわれています。また、身体が温まると副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなるといった効果もあります。体が冷えると、肩こり、腰痛、下痢、便秘、貧血などの症状も現れやすくなります。体の冷えは自律神経を乱し、結果として免疫機能が低下してしまうのです。寒い時期はもちろん、夏でもクーラーなどで体が冷えないように対策をしましょう。

体温を上げる最も手軽な方法は入浴です。心地よいと感じるお湯にゆっくり、長めに浸かると良いでしょう。 身体を温める効果のある食べ物もあります。根菜類、イモ類、玉ネギ、生姜やニンニクやなど、土の中にできるものは身体を温める作用があるといわれます。
入浴や体を温める食品などを積極的に摂り、ポカポカの体温を維持しましょう。

 

適度な運動。

適度な運動には免疫を向上させます。運動には、生活習慣病の予防や、脳の活性化、そしてストレス解消といった効果があります。
適度な運動は、血液中の免疫細胞を増加させ、運動量が多いほど風邪などに罹っている期間も短く、重症度も低いという研究結果があります。逆に体に負担が掛かるハードな運動は免疫機能が低下するともいわれているため、無理のない範囲で、気持ち良さを感じる程度の運動を習慣化していきたいものです。
最近の研究によると、筋肉を使った時には、脂肪を分解する生理活性物質が分泌され、肥満の予防に役立つこともわかっています。筋肉の量を維持するためには、少し負荷のかかる程度の運動をすることが最も効果的です。まずは1日に10分程度、室内でもできるような運動習慣を身につけることが大切ですが、可能ならば、うっすらと汗をかく程度の運動ができると良いでしょう。
筋肉をつけることは体温の上昇に有効です。筋肉は運動をしていない状態でも常に熱を発しています。全身の体温のうち、約40%が筋肉から発しているといわれています。せっかくダイエットをしても、筋肉が減ってしまえば免疫力にとってはマイナスに作用してしまいます。
また、体が熱を産むためには炭水化物や適度な糖質を摂ることも必要です。たんぱく質も筋肉を作る材料になるだけでなく、熱の発生に必要となる栄養素です。運動に際には、同時に各種ビタミンやミネラル類も、積極的に補充したい栄養素です。

 

睡眠をとる

仕事や家事が忙しくて時間がない生活に追われていると、どうしても睡眠時間を削ってしまいませんか?
ところが、睡眠も免疫にとってはとても重要で、時間の長さだけではなく、質の良い睡眠をとることが大切です。睡眠は一日中活動した体の回復のためには必要不可欠で、睡眠時間が少ないと体の回復力が低下し、体内の免疫細胞も減少してしまいます。
アメリカの研究によると、「睡眠時間が7時間未満の人は、8時間以上眠る人に比べ、3倍以上も風邪をひきやすくなる」ことがわかりました。また、寝つきの悪さや、夜中に目が覚めるなど、睡眠時間全体の2〜8%が減っただけで、ぐっすり眠れた人に比べ、約5倍も風邪をひきやすくなったというデータもあります。免疫を高めるためには、1日7~8時間の質の良い睡眠をとることが理想的です。睡眠不足が続いたり、質の良い睡眠がとれなかったりすると風邪気味になったり、体調を崩しやすくなります。
ウイルスを撃退するためにも、良質な睡眠を充分に確保して免疫機能をアップさせましょう。

 

まとめ

免疫機能を低下させないためには、十分な休養、睡眠、栄養、ストレス解消、適度な運動、規則正しい生活が重要です。仕事などの重圧、偏った食習慣、疲労、喫煙、深酒、冷えなど、日常生活の中で免疫の機能が低下する原因は多岐にわたります。
また年齢を重ねるにつれ免疫細胞は減少する傾向にあり、新しく作られた免疫細胞の機能も低下していくため、免疫機能はますます落ちていきます。
免疫は20代で最も高く、30代になると低下が始まり、40代では、なんとピークの半分にまで低下すると言われています。
不摂生な生活が続いたり、最近、体力が落ちていると感じる方は、是非、ここでご紹介した方法を
1つでも毎日の生活に取り入れて、毎日の健康維持に役立ててください!
今は、食事だけでは補いきれない栄養素を効率的に補給できるサプリメントも数多く提供されています。
免疫機能の向上に欠かせない栄養素を配合したサプリメントを効率的に摂ることも、オススメです。

ただし、免疫機能は専門的な領域でもあるので、気になる点がある場合には専門の医師に相談してみることをお勧めします。

免疫UPサポート