ビーガン⁉ベジタリアン⁉菜食主義は本当に体に良い?

 

こんにちは!

サプリメントアドバイザーのヒロキです。

 

今、世界中でベジタリアンやビーガンといった菜食主義者が増えているそうです。

ところで、ビーガンとベジタリアン、その違いをご存知でしょうか?

正確に分類するとビーガンやベジタリアンの中にも、それぞれ多くの分類があるようですが、実はビーガンはベジタリアンの一種です。一般的なベジタリアンは肉や魚を食べないのに加え、ビーガンは卵、乳製品、はちみつ、ゼラチン、魚醤までも口にしないという、「完全菜食主義者」の人たちをいいます。

ビーガンは、肉そのものだけではなく、肉の骨、魚介からとったスープもNGです。ビーガンの主なたんぱく質源は大豆となります。豆腐、味噌などの他、大豆から作ったミートなどでたんぱく質を摂取しています。牛乳の代わりに豆乳やアーモンドミルクを飲み、チーズ、ヨーグルトは植物性の原料から作られたものを食べます。

世界と比較すると、まだそれほど多くはないようですが、健康志向の高まりや、独自のライフスタイルに沿った考え方から、日本においても少しづつ増えてきているようです。

 

今回ご紹介する論文は、臨床栄養管理学雑誌「Curr Opin Clin Nutr Metab Care」に掲載されたレビュー論文で、菜食主義ビーガンの健康に対する調査の研究報告です。

論文のタイトルは

「ビーガン主義の老化と長寿:古い概念への新しい洞察を試みる」

Veganism, aging and longevity: new insight into old concepts

です。

それでは、内容を見てみましょう。

【論文要約】

近年、野菜中心の食事が「健康」「長寿」に好影響を及ぼすといわれており、厳格な菜食主義「Vegan(ヴィーガン)」にも注目が高まっている。

本研究では、菜食主義者における死亡率と健康寿命を検討した研究を評価し、菜食が寿命の延伸をもたらす可能性とその作用機序について論じる。

 

先行研究における、菜食主義に関する研究報告数はまだ少ない。疫学研究では、がんや心血管疾患の発生率が低いなど、一貫して低い疾患率が示されていますが、死亡率は菜食主義者や時折肉を食べる人の率と同等です。厳格な菜食主義に徹する理由が食事の質に関するこだわりだとしても、ひいては健康と寿命に影響を与える可能性があります。

菜食主義におけるタンパク質制限や特定のアミノ酸(ロイシンまたはメチオニン)の制限など、ビーガニズムのいくつかの特性に対する新しい洞察は、潜在的に寿命を延ばす可能性を示しています。

ビーガン主義の食事は、インスリンの抵抗性と脂質代謝異常やその関連疾患を改善します。

さらに、食事影響のメディエーターとなる腸内細菌叢は、ビーガンでより多様性に富んでおり、健康に寄与すると考えられる。ただし、菜食主義の食事は、栄養のバランスを崩しがちでもあり、適切なサプリメントを摂取する必要があるだろう。特に子供、妊婦、または高齢者では、菜食主義は健康の要件を満たせないリスクを考慮すべきである。

野菜中心の食事は健康に寄与しているが、必ずしも死亡率を低下させるものではないという結果であった。菜食主義の食事による健康増進の明確なメカニズムはまだ完全には明らかとなっていないものの、多様な要因が関与している可能性が高い。今後も長寿研究において、菜食主義の科学的根拠と質的検証を行っていく必要があるだろう。

と報告されています。

 

今回の研究報告において、ビーガンは生活習慣病の発生リスクを一定数下げるという指摘がある一方で、平均寿命を延ばす効果があるとまでは明確に確認できなかったようです。また、菜食主義におけるサプリメント活用の可能性にも触れています。
さまざまなライフスタイルに応じて、不足する栄養素も異なります。個々の課題に応じたサプリメントの摂取で健康をサポートしましょう。

マルチビタミンサプリ

【参考文献】
PMID: 31895244
DOI: 10.1097/MCO.0000000000000625
URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31895244

プロバイオティクスを知っていますか?その効果とは!

こんにちは!

サプリメントアドバイザーのヒロキです。

今回の話題は、「プロバイオティクス」です。

プロバイオティクス(Probiotics)とは、人体に良い影響を与える善玉菌などの微生物、または、それらを含む製品や、食品のことをいいます。

人間の体内には多くの微生物が存在しています。それら微生物の体内バランスをベストな状態に保つことが、健康を保つ秘訣であるといわれています。

そのためには、乳酸菌に代表される善玉菌を食品やサプリメントなどの健康食品から、積極的に摂取することで、消化器系のバランスを改善し、病気の発生を未然に抑えることができるとされています。この考えは、抗生物質(アンティバイオティクス)の副作用や、抗生物質によって生まれた耐性菌の発生に対抗しようとする考え方から生まれたものです。

こうしたなか、高血圧治療に関する専門学術誌(Current Hypertension Reports)に、プロバイオサプリを摂取した際の効果を評価したレビュー論文が掲載されました。

論文のタイトルは、

「高血圧患者に対するプロバイオティクスの効果:系統的レビューとメタ分析」

「Effects of Probiotics on Patients with Hypertension: a Systematic Review and Meta-analysis.」

です。

この研究の目的は、高血圧患者がプロバイオティクスサプリメントを摂取した場合の、血圧やボディマスインデックス(BMI)、および血糖値に与える影響を評価することです。

 

調査分析方法として、研究チームは、医学論文のデータベースを利用し、高血圧患者のプロバイオティクスサプリメント摂取に関する先行研究を抽出調査しました。データベース(PubMed、Cochrane、Embase、ProQuest)を使用し、医学科学用語および自由記載語を組み合わせて、データベース開始から2020年1月20日までに収載された論文を検索しました。抽出された論文は研究の質を評価し、統計学の手法により各研究間の不均一性を補正した。 その結果、2002年から2019年の間に発表された14報の研究論文を分析対象としました。
抽出をもとに、総勢846人の高血圧患者の研究データを調査しました。

調査結果は、

プロバイオティクスの摂取により、
収縮期血圧は-2.05 mmHg(95%CI:-3.87、-0.24、P = 0.03)
拡張期血圧は-1.26 mmHg(95%CI:-2.51、-0.004、P = 0.047)
体格指数(BMI)は-1.03(95 %CI:-1.28、-0.97、P <0.01)
血糖値は-0.18 mmol / L(95%CI:-0.30、-0.05、P = 0.007)
となり、低減作用が確認されました。

本研究により、高血圧患者、特に糖尿病を合併する患者のプロバイオティックサプリメント摂取が、収縮期血圧、拡張期血圧の両方を有意に減少させることが確認できました。

また、プロバイオティクスのサプリメントの摂取がBMI値および血糖値を下げる効果があることも同時に確認されました。

最近は、腸内細菌叢の認知が進み、プロバイオの整腸作用や免疫やアレルギーに対する有効性は、広く浸透してきました。

今回の研究発表により、腸内環境改善を介した、血圧や血糖値、肥満への作用も明らかになり、プロバイオの生活習慣病の予防や、改善作用が、今後、注目されていくと思われます。

日常生活において、プロバイオの効果を得るためには、納豆などの発酵食品や、ヨーグルトなどの乳製品を食生活に取り入れることが良いとされています。
また、善玉菌は、同じものを摂るよりも、多種多様なものを摂ることが重要だと言われています。
ぜひ、プロバイオを習慣化して、続けていきましょう。

プロバイオの多様な機能性に、ますます期待が高まっています。

プシュケー16種類乳酸菌と24種類の酵母の濃縮エキス

おなかの健康

出典:Curr Hypertens Rep. 2020 Mar 21;22(5):33.

URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s11906-020-01041-5